飲食店・店舗の冷蔵庫・冷凍庫の温度記録

SwitchBotなどの対応センサーで庫内温度を自動記録し、HACCPの温度チェックを多店舗まとめて管理する。

このページの要点

  • HACCPの手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)では、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下になっているかを確認して記録し、記録は1年間程度保管する例が示されています。
  • Sustiraは、庫内に置いたSwitchBot 防水温湿度計の値を5分間隔で取得して記録し、基準を外れたときにメール・Slack・LINEで通知します。閉店後や休業日も記録は続きます。
  • SwitchBotアプリのCSV出力はデバイスごとです。Sustiraなら最大10台・30日分を1回の操作で1つのCSVにまとめられます。
  • 防水温湿度計の動作温度は−20℃〜60℃(メーカー仕様)です。−20℃を下回る冷凍庫には使えません。

守るべき温度と記録の基準

食品衛生法の改正により、2021年6月から原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められています。小規模な飲食店などは、業界団体が作成し厚生労働省が内容を確認した手引書を参考に「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を行います。飲食店向けの手引書では、冷蔵・冷凍庫の温度確認が一般衛生管理のポイントの1つになっています。

冷蔵庫・冷凍庫の温度確認(手引書の例)

項目 手引書に示されている例
基準 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下
いつ確認するか 始業前(作業中・業務終了後なども選べる)
どのように 温度計で庫内温度を確認し、確認した温度と確認した人のサインを記録する
問題があったとき 異常の原因を確認し、設定温度を再調整する。故障の場合は修理を依頼する。食材の状態に応じて使用しない、または加熱して提供する
記録の保管 1年間程度

出典:公益社団法人日本食品衛生協会「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」令和6年1月改訂。実際の確認頻度や基準は、各店舗の衛生管理計画に従ってください。

始業前の確認だけでは分からないこと

1日1回の確認で分かるのは、その時点の温度です。夜間の停電や扉の閉め忘れで庫内温度が上がり、朝までに戻っていた場合、手書きの記録には残りません。5分間隔の記録があれば、いつから何時間、何℃まで上がったかをあとから確認でき、「食材の状態に応じて使用しない」判断の材料になります。

厨房と客席に関わる基準

場所 基準 対象
厨房 WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31℃以上の場所で、継続して1時間以上または1日4時間を超えて行われる見込みの作業は「熱中症を生ずるおそれのある作業」。報告体制の整備と、悪化を防ぐ措置の手順を定めて周知することが事業者の義務(労働安全衛生規則第612条の2、2025年6月1日施行) 従業員が働くすべての事業場
客席(居室) 温度18℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下、CO2 1,000ppm以下(空気調和設備を設けている場合)。2か月以内ごとに1回、定められた測定器で測定する(建築物衛生法施行令第2条・同法施行規則第3条の2) 店舗などの用途の延べ面積が3,000㎡以上の特定建築物。測定するのはビルの維持管理について権原を持つ者

WBGT28度・気温31℃・1時間・4時間の条件は、改正省令の施行通達(基発0520第6号、令和7年5月20日)によるものです。SwitchBotの温湿度計は気温と湿度を測れますが、WBGTそのものは測れません。厨房の暑さ対策の詳細は工場・製造現場の温湿度記録で解説しています。

どこに何を置くか

場所 デバイス(現在はSwitchBot製品) 理由
冷蔵庫・冷凍庫の庫内 防水温湿度計 IP65の防水・防塵構造で、結露や水はねのある庫内に置ける。動作温度は−20℃〜60℃
厨房 防水温湿度計 湯気・水はねに強い。夏場の暑さを気温で記録する
客席 Hub 2 / Hub 3(温湿度センサー内蔵) センサーのデータをクラウドへ中継するハブが店舗ごとに1台必要。客席に置けば客席の温湿度計も兼ねる
設置前に確認すること
  • 庫内が−20℃を下回る冷凍庫・ストッカーは、防水温湿度計の動作温度の範囲外です。メーカーは、極端な環境では電池寿命が縮み、温湿度の精度も多少落ちると案内しています。
  • 金属製の庫内からは、ハブまで電波が届きにくいことがあります。ハブを置く位置でデータが届くか、導入前に確認してください。
  • SwitchBotの温湿度計は一般用途向けのIoTセンサーで、検定・校正の証明はありません。点検済みの温度計と並べて、表示のずれを定期的に確認してください。
  • データの取得は5分間隔です。異常の通知は、温度が変化してから数分以上遅れて届くことがあります。

計算例:店舗数から台数とプランを出す

1店舗を「冷蔵庫・冷凍庫・厨房の防水温湿度計3台+客席のハブ1台=4台」とし、店舗ごとにGroupを1つ、厨房と客席をRoomとして2つ使う構成で計算します。

店舗数 台数 Groups Rooms 目安プラン 1店舗あたり月額(税込)
1店舗 4台 1 2 Base 19,800円
2店舗 8台 2 4 Base 9,900円
3店舗 12台 3 6 Manage 16,600円
5店舗 20台 5 10 Manage 9,960円
10店舗 40台 10 20 Manage 4,980円
20店舗 80台 20 40 Governance 4,990円
  • Baseは台数15台・Group 2つ・Room 10までです。台数に余裕があっても、3店舗目からはGroupの上限でManageになります。
  • Manageは台数40台・Group 10・Room 50までです。10店舗はちょうど40台なので、同じSwitchBotアカウントにほかの製品(スマートプラグやカーテンなど)を登録していればGovernanceになります。台数は、SwitchBotアカウントに登録されている全デバイスで数えます。
  • 店舗ごとにSwitchBotアカウントを分けている場合は、Credentialsが複数必要になるためGovernance以上です。
  • 月額は料金プランの金額を店舗数で割ったものです。SwitchBotのデバイス代は含みません。

月末に全店舗の記録をまとめる手間

SwitchBotアプリで出す場合

CSVの出力はデバイスごとの操作です。5店舗20台なら、デバイスを選んで期間を指定して出力する操作を20回繰り返し、できた20個のファイルを表計算ソフトで1つにまとめます。

Sustiraで出す場合

店舗(Group)・場所(Room)・デバイスをチェックボックスでまとめて選び、期間(最大30日)とデータ間隔(5分〜1日)を指定して出力します。1回に選べるのは10台までなので、20台なら2回の操作で2つのCSVファイルになります。どちらも1行に1デバイス×1時刻の形式なので、見出し行を除いて下に貼り足せば1つの表になります。

台数が2〜3台ならアプリで十分です。店舗と台数が増えるほど、この差が毎月の作業時間の差になります。アプリとSustiraでの出力手順はSwitchBot温湿度計のデータをCSVで出力する方法で解説しています。

設定手順と通知ルールの例

  1. SwitchBotアプリで、ハブと防水温湿度計を登録し、それぞれの場所に設置します。
  2. SustiraにSwitchBotのAPIトークンを登録します(ヘルプ:API認証情報の登録)。
  3. デバイスを登録し、店舗をGroup、厨房・客席をRoomに割り当てます(ヘルプ:Groups / Rooms)。
  4. 下の表を参考に、通知ルールを作ります(ヘルプ:ルール設定)。
  5. 「設定」>「通知」で、メール・Slack・LINEの宛先を登録します(ヘルプ:通知の設定)。

通知ルールの設定例

対象 項目 条件 評価方法 ねらい
冷蔵庫 温度 > 10℃ 生データ(Raw) 手引書の基準(10℃以下)を外れたデータを受け取った時点で知らせる
冷凍庫 温度 > −15℃ 生データ(Raw) 手引書の基準(−15℃以下)を外れたデータを受け取った時点で知らせる
厨房 温度 >= 31℃ 生データ(Raw) 気温31℃の目安に達したデータを受け取った時点で知らせ、店舗で定めた熱中症対策の手順を確認する合図にする
全デバイス 電池残量 20%以下 日次チェック 電池切れで記録が途切れるのを防ぐ

生データ(Raw)で評価すると、扉の開け閉めによる一時的な温度上昇でも通知が届くことがあります。通知を減らすために平均(5分・15分・30分・60分)で評価することもできますが、その場合、平均が基準内に収まる短時間の逸脱は通知されません。基準を外れたことを確実に知りたい場合はRawを使ってください。通知ルールとCSVエクスポートは有料プラン(Base / Manage / Governance)の機能です。

よくあるご質問

SwitchBotアプリでもCSVを出せるのに、Sustiraを使う理由は何ですか?

SwitchBotアプリでも温湿度の履歴をCSVで出力できますが、出力はデバイスごとの操作です。冷蔵庫と冷凍庫が1台ずつの1店舗なら十分ですが、5店舗20台なら毎月20回の操作で20個のファイルができ、それを表計算ソフトで1つにまとめる作業が残ります。Sustiraでは店舗(Group)・場所(Room)・デバイスをまとめて選び、期間とデータ間隔を指定すると、最大10台・30日分のデータが1つのCSVファイルに入ります。20台なら2回の操作です。

冷凍庫の中でもSwitchBotの温湿度計は使えますか?

SwitchBot 防水温湿度計の動作温度はメーカー仕様で−20℃〜60℃です。庫内が−20℃を下回る冷凍庫・ストッカーは範囲外のため使えません。メーカーは、極端な環境では電池寿命が縮み、温湿度の精度も多少落ちると案内しています。また、金属製の庫内からはハブまで電波が届きにくいことがあるため、導入前にハブの設置位置でデータが届くか確認してください。

Sustiraの記録だけでHACCPの温度記録として足りますか?

自動記録を衛生管理計画の記録としてどう位置づけるかは、各店舗の衛生管理計画と所轄の保健所の指導に従ってください。手引書では、確認した温度とあわせて確認した人のサインも記録するよう示されています。Sustiraは、人が確認しない閉店後や休業日も含めた5分間隔の連続記録と、基準を外れたときの通知で、日々の確認を補います。

何店舗からどのプランになりますか?

1店舗あたり4台(冷蔵庫・冷凍庫・厨房の防水温湿度計3台と、客席の温湿度を兼ねるハブ1台)で、店舗ごとにGroupを1つ使う構成なら、2店舗まではBase(月額19,800円・税込)、3〜10店舗はManage(月額49,800円・税込)、それを超えるとGovernance(月額99,800円・税込)が目安です。Baseは登録できるGroupが2つまでのため、3店舗目からManageになります。台数はSwitchBotアカウントに登録された全デバイスで数えます。

導入前に自社の店舗で試せますか?

はい。21日間・無料のPilotで、実際の冷蔵庫に置いたセンサーのデータがダッシュボードに届くかを確認できます。通知ルールとCSVエクスポートは有料プラン(Base / Manage / Governance)の機能のため、Pilotでは使えません。

出典

最終確認日:2026年10月1日

ご利用にあたっての注意

本ページの法令・通達・手引書・製品仕様に関する記載は、最終確認日の時点で当社が確認した情報をもとにした一般的な解説です。正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤りを含む可能性があります。法令や手引書、製品仕様は改正・改訂されることがあります。

実際の対応にあたっては、必ず最新の条文・通達・手引書・メーカーの情報をご自身でご確認のうえ、必要に応じて所轄の労働基準監督署・保健所や専門家にご相談ください。本ページの情報の利用は、ご自身の判断と責任で行ってください。

まずは1店舗の冷蔵庫から

21日間のPilotで、庫内に置いたセンサーのデータが届くかを確認できます。
店舗数や構成に合わせたプラン選びのご相談も歓迎です。